固定資産税の評価方法が検討されています

 タワーマンションの販売価格は低層階と高層階では相当の金額の開きがあるにも関わらず、固定資産税評価額は面積比例なのです。例えば同じ面積のタイプの住居で高層階が1億円、低層階が6千万円としても、固定資産税評価額は4千万円と同じです。 そのため現金1億円があり高層マンションを購入すれば、相続時の評価は固定資産税評価額で評価されるため1億円から4千万円に圧縮されるため、6千万円の節税につながるため、相続税対策として利用されています。そのため階層により評価額が変わるのです。

 また、建物の固定資産税評価額を算出するに当たり再建築価格方式を現在採用しています。それは評価の対象となった建物と同一の建物を評価の時点において新築したとした場合に必要な建築費(再建築価格)を、各部分別に評価して積み上げることにより求める方式です。

 この方式で求めた再建築価格は実際の建築費と比べて、木造では40~50%、鉄筋コンクリート造などでは60~70%になるのが一般的ですが、建築費の高騰している現在の実際の建築費と比較すると、木造で35~45%、コンクリート造で45~55%位ではないでしょうか。  

 中古建物の場合は、3年ごとに評価額を変えるため、その時点での建築物価の変動を反映させて算定し(そのときの建築資材などが上昇していれば算定価格は上昇します)、これに経年の損傷に対する減価を行い評価額を算定しています。

 現在の評価額は令和3年度改正分で次の評価替えは令和6年度ですが、建築費が高騰している現在、次回の評価替えでは評価額が上昇すると考えられます。しかし、中古の建物の評価は、再建築価格が上昇し減価分を減額しても高い場合は、前年の評価に据え置かれることになっています。

 これまでは、再建築価格方式での価格算出には膨大な手間がかかり、大型の建物になると評価額が出るまでに2年もかかることがあるそうで、もっと簡便な方法を模索するという意味で、再建築価格方式から取得価額活用方式への移行になりました。

 取得価額活用方式というのは、実際の工事見積書に調整率を乗じて価格を算定するものです。実際の工事見積書には建設会社の経費や利益が加わっているため、再建築価格方式で計算した価格より高いのは当然なため調整率を乗じるのです。この方式は算定の時間が大幅に短縮できるのです

 事業用の建物について固定資産税は「土地」「家屋」「償却資産」の3つに大別されます。償却資産とは上下水道など建物本体と一体になっているもの以外のことを指します。償却資産については、固定資産税評価による評価額ではなく実際の支払い金額が評価額となり経年で減価され、その減価後の価額に固定資産税の税率がかかります。

 これまで建物の固定資産税について解説してきましたが、そもそも何故建物に固定資産税が必要なのでしょうか。土地なら都市の道路や公園のようなインフラ整備など、その土地の利用価値を高めるために必要な整備費用を、利用者負担の税の原則に従い、都市使用税として土地所有者に負担を求めるのは理にかなっていると思われます。

 しかし、建物や設備についての税金は応益負担とはいえないため如何なものなのでしょうか。

 そこで、固定資産税について調べてみますと、「よくわかる地方税」(鵜野和夫・杉之内孝司著 東京法令出版)に詳しく書いてありました。両先生とも懇意にして頂いていますのでなおさら感心して勉強してみました。

 この本の内容を要約すれば、固定資産税の性格として3つあるとしています。

①財産税:ある程度の財産を所有していればそれなりの税を負担する経済的能力があるだろうと推定して財産の価格などに応じて課税する物税

②応益税:市町村による行政サービスの対価として支払う税。

③安定的な税収入のための税:土地や家屋はどこの市町村にも必ず存在するため必ず課税できる。所得に対する税は経済の景気・不景気により変動するため安定性に欠くが、固定資産税は安定した税収として課税できる税金。

 こうして考えると、応益税というよりも財産税に近く、多くの地方都市では役場の運営費用の多くを固定資産税収入に頼っているのが現実です。